(2012/11/18)せいよしは俺のデザイアァ!

「MIDIアニメで見る≪東方神霊廟 ~ Ten Desires.≫」のライナーノーツです。
ライナーノーツってのは要するに解説とか裏話とかそんなんです。
データ公開のついでに色々語っちゃおうと思います。









まずは動画を視聴して下さった方々、コメント・マイリスト・レビュー・広告・「ニコる」などしてくださった方々に、
心からお礼申し上げます。
本当にありがとうございます。いやほんと。

いやほんと。


私の打ち込み技術やら編曲アイデアやら原作愛やらその他小ネタやらで、
視聴者の皆様を少しでも楽しませられたなら幸いですし、
コメントなど見る限りでは実際楽しんで頂くことができているようで……。

2分3分で終わるのが当たり前のMIDIアニメ界隈に突然ブッ込まれた、あんな24分もあるわけのわからん動画を、
最後まで飽きずに、喜んで見て下さる方々がこの世に何人もいる。
自分がいいと信じて作ったものが、いいと評価してもらえる。
こっそり仕込んだ色んなネタに、敏感に気づいてもらえる。
時々思いもよらない方向性のコメントがついて吹く(コンピューターおばあちゃんって書いた奴出て来い)。

楽しいもんです。嬉しいもんです。


本当にありがとうございます。







ところでこの作品、本来は「第4回東方ニコ童祭」参加予定作品でした。
しかし今回、色々思うところがあり、
本作をニコ動祭参加辞退作品とさせて頂きました。とっくに祭終わってんのに辞退も何もないかもしれませんが 
作品について細かい解説を書く前に、まずはこの件についてまとめておこうと思います。

長い上に作品の内容と一切関係ないので、興味がない人は飛ばして下さい。



私は第4回東方ニコ童祭の参加宣言において、
MIDIアニメで見る≪東方神霊廟(体験版)≫」の完成版を投稿することを予告していたいました。
直前告知動画で私の参加宣言の所になった時、予想外に多くの「楽しみにしてる」系コメントを頂きました。

けれども作業を怠ったせいで完成は延びに延び、
やっと投稿できた時には予定日から4ヶ月も経ってしまっていました。

投稿告知日と実際の投稿日が異なることは、東方界隈に限らずニコニコではよくあることです(よくないことですけど)。
これについては、私はさほど重要な問題だとは思っていません。
現にもう一つの参加作品をニコ童祭遅刻組として投稿していますし……。

しかし、投稿日がニコ童祭開催期間と4ヶ月も違うような作品
(しかもShort版が存在するため、Full版を待つ人がそちらに流れ込めば再生数が稼げる)について、
ニコ童祭告知という場を利用して存在を知らしめるというのは、
他者を利用した宣伝、あるいは売名と呼ばれ得る、問題行為だと思ったのです。


考えすぎ・自意識過剰などと思われるかもしれません。
しかし、故意でないとはいえ、結果としてニコ童祭を、
ニコ童祭にふさわしくない形で自らの宣伝に利用してしまった。
私はそう考えました。
そして、これについて恥じ、反省しようと思い、
本作についてニコ童祭への参加を辞退するという決断に至ったのでした。

作品の公開をやめるとかではないので、決断と呼ぶにはあんまり大したことのない行動かもしれませんが……。
とにかく、この作品はニコ童祭への参加資格がないと思ったためと、
ニコ童祭のタグ付けやコミュニティへの登録を避けることでそれらのルートからの視聴者の流入を防ぎ
少しでも不正参加宣言による宣伝効果を相殺するために、
ニコ動祭参加宣言を取り消させて頂きました。


ほぼ上記をコピペした長文メールで辞退について相談した際、
快く対応して下さっただけでなく私の動画を早く見たいとおっしゃって下さった
ニコ童祭主催のluno.さん、ありがとうございました。


また、今回の件をうけて、第5回ニコ童祭への参加は自粛します。




以上、ニコ童祭参加辞退についての顛末でした。










 

それではこのクソ長い神霊廟メドレーの各曲について、
順番にざっと紹介したりコメントしたりしていきたいと思います。






#01. 欲深き霊魂


"TOHO PRJ. 13th"
記念すべき、MIDIアニメ第一号です。

人生最初のMIDIアニメということで当時非常に情熱があったので(今もあるでしょ!)、
複数パートにまたがって、意味のある音だけで文字を書く、などという高等技術にいきなり手をつけました。

まあ複数パートについてはさておき、絵や字に意味のある音を充てるというのは、
ジンジャーP氏の作品を始めとしたMIDIアニメ全盛期の技術としてはごく普通のものなんですけどね。
普通というか、それが当然というか。

私の神霊廟MIDIアニメを最後まで見た方ならおわかりかと思いますが、
私はどちらかというとビジュアル面の見栄え・美しさを重視してMIDIアニメを制作しています。
そして音楽についてもMIDIアニメに合わせた曲作りではなく、
編曲ありきで曲を書いた上にMIDIアニメを載せるというスタイルです。

なので今回のような、音的に意味のある(そして見栄えも両立している)MIDIアニメというのは、
本来は当然のやり方であるはずなのに、本作中では実は稀有です。

……「やらない」んじゃなくて今の私には「できない」という話なんですけど。
がんばります(泣)。


そして現れる「東方神霊廟」のタイトルと桜吹雪。

体験版の時点で動画時間が9分と比較的長めでしたから、
動画の最初だけ見て飽きて帰られることがないよう、
初っ端から「すげー!」ってなるような何かを入れようと思いました。
それがこの桜吹雪である。


編曲そのものについては、イントロは無駄にオーケストラ風ですが、
いつものテーマのところはまあ原曲から大きくは崩さない感じで。
タイトル曲ですからね。






#02. 死霊の夜桜(裏メロ1曲)


タイトル曲同様、こちらも原曲からはあまり崩さず……
と思ったら終盤は謎のピコピコ。だって似合うと思ったんだもん。


タイトル曲含め、なぜ最初の方はあまりアレンジをどぎつくしないかというと、
この作品が「MIDIアニメで見る≪東方神霊廟 ~ Ten Desires.≫」だからです。
決して「東方神霊廟の曲をMIDIアニメでメドレーにしてみた」とかではないのです。

作品の主旨は東方神霊廟の曲を聴くことではなく、東方神霊廟を「MIDIアニメで見る」こと。
つまりこのMIDIアニメを通して、東方神霊廟を追体験してもらうことが目的なのです。


だからItem Get Border Lineとか入れちゃう。


でも似合うと思ったらピコピコ音とか入れちゃう。






#03. ゴーストリード


そしてメイガスナイトに似てると思ったらそういうアレンジ入れちゃう。






#04. 妖怪寺へようこそ


最初の"WELCOME TO YOKAI TEMPLE"の後のハートは、
白蓮が書いたという設定です(割と言うまでもなく)。


この曲の一番印象的なパートはイントロの変拍子のとこだと思うんで、
ほんとはそこも入れたかったんですけどねー。つなぎ重視のためにやむなくカット。
まあトランス版神霊がどいつも可愛く描けたので満足です。白と緑が好き。

そしてこの和風アレンジ……俺なんでこんなアレンジしたんだ?
楽しい夜の妖怪寺ってイメージですかね。やりたい放題の。聖さん教育しっかりして。


エコーはちゃんとわかってもらえて良かった。
STGとはスクロール方向が違うから……。






#05. 門前の妖怪小娘


また無駄にオーケストラアレンジ。
でも低音にサイン波を置いて補強してみたり。響子ちゃんマジ本領発揮ウーハー。


さっき言ったことにも通じますがこの動画は別に「俺こんなアレンジできるぜーすげえだろー」をする場ではないので、
ちょくちょく原曲を再現した編曲を挟んでいます。この曲だとオケアレンジの後のパートね。

でもぎゃーてーとパンチとYAHOO!で台無し。

だって東方原曲にまさかパンチの音が使われるなんて思ってなくて、
初めて聴いた時ものすごく衝撃的だったんだもんよ。
だからついマシマシにしちゃったんだよ。しかたないじゃないしかたないじゃない。


そしてその後のパートは、うーん……。
ベースラインは好評だったけど……。

はっきり言ってここは「俺こんなアレンジできるぜーすげえだろー」をやってしまった最も悪い例ですね。
主旋律は一応原曲から全く変えていませんが、曲の雰囲気があまりにも変わりすぎていますし、
しかもそれが特に何を表しているわけでもありません。
ただアレンジしたかったからしただけ。

見返せば見返すほど、非常に恥ずかしい箇所です。申し訳ない限りです。

でもなあ、製品版でまるっと差し替えても良かったんだけど、
他になんもアレンジ案思いつかなかったんだよなあ……。

口授の鳥獣伎楽ネタを取り入れてパンクアレンジ、なんて案はありました。
でもパンクの何たるかもよく知らないのにパンクアレンジなんてやりようがなかった。没。
ってかフリーのサウンドフォントだけでろくなエフェクトもなしにエレキギターメインの曲を打ち込んでも、
ショボショボな残念サウンドになるだけなんですよねえ。






#06. ヒュ~ドロドロってやつ


(体験版>>1715) 包?
(体験版>>2730) たけのこの里???
(体験版>>2522) なんだ らっきょうか
(体験版>>2765) 雨粒?



人魂です!!!!!!!!!!!!!!!!






#07. 素敵な墓場で暮しましょ(裏メロ2曲)


まさかの大量の「Д」弾幕。
そして体験版における個人的MVPコメント↓

(体験版>>1929) 口みたいな墓しやがって

もうね、爆笑ですよね。
体験版でこれ見た瞬間、思わず自分でタグ登録して自分でロックですわ。
このコメントをした人は私の中で歴史に残る人物となりました。

あとこれも良かった。

(体験版>>1547) ・_・

まさか主旋律の音階が偶然顔に見えるとは……いや言われてみれば確かに見える。見えるのよ。
というわけで製品版でこのネタを使わせて頂きました。ありがとうございました。

欲深き霊魂でも書いたけど、やっぱ曲の上からMIDIアニメを置くんじゃなくて、
曲の中にこうやってMIDIアニメを混ぜ込むのが一番理想的なやり方なんだよなあ。
精進します。星蓮船頑張ろっと。小傘も出るし。小傘も出るし。






#08. ピラミッド


ごめんなさい。






#09. リジッドパラダイス(製品版のみ裏メロ1曲)


体験版ラスボスということで、
体験版MIDIアニメはこいつである程度盛り上げて終わらせることを意識して作りました。

ピラミッドからのつなぎも工夫しつつ、
アレンジ自体もいい感じにして、
途中に入れるMIDIアニメも今までで一番力入れて……。


うん、やりすぎた。


まさかこんなにアレンジ上手くいくとは思わなんだ。
というかピラミッドからのつなぎ方の時点で何かのスイッチ入ってたのか。
とにかくこいつのアレンジ作業はスイスイスーイと実にスムーズに進みました。
アレだ、苦心してやっと作り上げたものより、軽~くポイッと出来上がった物の方が名作になる法則。


そしてこの立ち絵である

まあMIDIアニメでブレイク入れると共に全身像描く、ってアイデア自体は前から持ってたんですが……。
ほんとに全員総休止しちゃうと寂しいのでドラムソロなんか入れちゃったりしたら、
あらまあずいぶんかっこ良くなっちゃって……。
その前の「ゾンビは永遠に不滅です!」からの展開も良かったのかな?
まあとにかく全てが上手く転んで良かったです。


良かったんだけど、体験版がこの曲であまりにも大団円に終わっちゃったもんだから、
この後の4面へ一体どう繋げればいいのか、さあ困った困った。
上手く行きすぎて困るなんて、嬉しい悩みですね。

結局、あんなひどいオチで終わらすことで、
「一回下げて上げる」という解決法に逃げました(笑)。






#10. デザイアドライブ


渋めのスルメ曲が多い神霊廟の音楽の中では珍しい、
飛び抜けてわかりやすい名曲ですね。

(製品版>>5200) 神霊廟の代表だよなー

まさにその通りだと思います。


神霊廟製品版リリース当時、
ネタバレを回避し続けようやく製品版を手に入れ初見プレイをした際に、
4面突入時のステージや音楽のスピード感があまりにも楽しすぎて
リアルに「うひょおおおおおおおおおおお」みたいな声を上げた記憶があります。
あの時のワクワク感は半端なかった。めっちゃテンション上がりました。

で。
何度も言いますがこの動画は「MIDIアニメでみる≪東方神霊廟 ~ Ten Desires.≫」ですから、
東方神霊廟原作が持つ、そういった雰囲気をMIDIアニメで再現しなくてはいけないわけです。
デザイアドライブが始まった瞬間から視聴者のテンションを最高潮までブチ上げさせなければいけないのです。
当然です。

というわけで考えた結果、
私がゲームをプレイした時は開幕時の「音楽」と「ステージ」の効果で興奮したのだから、
この動画では開幕時に「音楽」と「MIDIアニメ」の効果で興奮させよう、という結論になりました。
その結果があの、全画面文字です。そしてアレンジもあんな感じです。

アレンジについては、今まで生音系の曲ばかり作ってきたので不慣れなジャンルでしたが、
まあそれなりに盛り上がるものになったのではないかと思います。
オーケストラヒット好きです。はい。


洞窟っていいね。






#11. 古きユアンシェン(SEGA込みで裏メロ2曲)


\つなぎは自信あるよ!/

やたら盛り上がる曲ですよねー。やっぱ4面はこうでなくっちゃ。
盛り上がりすぎてSEGAとか入れちゃった。


あのポケモンっぽいとこも好きですが、
その後雰囲気変わってからのテーテテ テーテテ テーテーテーテーってフレーズがすごく好きなんです。
もう製品版プレイ直後からそこだけピンポイントにツボで、一時期ずっと脳内再生が止まりませんでした。

なのでMIDIアニメの編曲でもそこを境にガラリと雰囲気を変えて民族風にしたり、
そのフレーズにオーケストラヒットを使って大胆なキメを入れてからの銅鑼というコンボを仕込んだりしました。
いやーもうやりたい放題。作っててほんとに楽しかった。


この曲の神主コメントに「手品師のイメージで作った」みたいなことが書いてあった気がしますが、
まさに手品のように雰囲気がコロコロ変わる、面白い楽曲でした。名作。
でもTAO胎動は勘弁。






#12. 夢殿大祀廟(裏メロ1曲)


「夢殿大聖堂」なんて言い始めた奴誰だ!! 思わずタグにしてロックかけたわ!!!

ええまあ、宗教施設っぽさを出そうとした結果あんなイントロになりました。

実際、4面突入時は「これからガンガン攻めるぜえええぇぇ」って感じになるのに対し、
5面の始まりは「いよいよ敵の本拠地に……」っていう緊張感があるというか、
なんとなく厳かな気持ちになるような雰囲気をかもし出していますよね。
それをより極端に表した結果があの、パイプオルガンとオルゴールです。
デザイアドライブがわかりやすい名曲なのに対し、こっちは実に渋い名曲だと思います。


そして陰陽レーザー、からの屠自古登場シーンへ。
屠自古登場前と後とで、曲のノリが結構変わるようにしました。

ほんとは、原曲がトランスして雰囲気がガラッと変わった時の、
あのブリブリブリ↑ブリブリブリ↑ブリブリブリ↑……って音を入れたかった。
しかし手持ちのサウンドフォントにそういう音色がなかったので断念しました。
代わりに曲調の変化でそういう二面性を表現しましたとさ。

その後更に、怨霊が円状にバーっと出てくる所も作りたかったんだけどなあ……。
というか実は作ってたんだけどなあ……。
そこで更に別のアレンジが入って曲調変わってたんだけどなあ……。
5面道中だけ長くなりすぎるし、怨霊の絵が上手く描けなかったので泣く泣くカットしました。
夢殿大祀廟の単曲アレンジを作ったら入れるかも?(作る予定ないけど)


靈異伝のプレイ動画見てたらMimaの釘弾幕が屠自古すぎて笑った






#13. 大神神話伝


この神霊廟メドレーにはつなぎを工夫している箇所がいくつかありますが、
その中でも一番気に入っている箇所がこの、夢殿大祀廟から大神神話伝へのつなぎです。
つながってるんだけど、前の音がヒューンと落ちて、次の音がピューっと昇ってきて、っていうアレ。
さっきまでのキラキラした曲調の世界から、一気に和とピコピコの世界へ引きずり込む感じで作りました。

そうそう、本作において随所にピコピコ音が使われていますが、
この音色には「時代遅れな奴」という意味を持たせています。

布都なんて特に復活したてで脳みそ追いついてないし、言葉遣いも古臭い。
まさに、ザ・時代遅れです。
一方、同じ尸解仙でも、神子は幻想郷の過去も未来も見据えて行動していますから、時代遅れな印象はありません。
マミゾウは古典的な妖怪で口調も老人風、考え方も活を入れるとか稽古つけるとか言ってて古典的。

どうでしょう、だいたい本作における「ピコピコ音使う奴」判定の基準がおわかり頂けたでしょうか?
え、死霊の夜桜でも使ってたのはなんでかって? だって似合うと思ったんだもん!!!(台無し)


そしてもう一つのこだわりポイント。
基本的に本作のアレンジでは、伴奏には手を加えても、
主旋律はほとんど原作のものから改変していません(音色の違いはあれど)。
ただし時折、ピッチベンド(音程変化)や装飾音符で「コブシ」みたいなものを入れることはあります。
これは何を表しているかというと、いわゆる「思い出補正」です。

ゲーム音楽ってものはですね、ゲームと共にあるものなんですよ。
ゲームをプレイしてた時の感情が曲に上乗せされている状態が、
つまりそのゲームの「思い出補正」込みで評価されている状態が、ゲーム音楽の真の姿なんです。

そしてその「曲に感情を乗せる」ということを音楽単体で表現したのが、
「原曲通りのメロディにコブシを乗せる」というやり方なのです。

この大神神話伝のアレンジでは、特にそれが顕著になりました。
打ち込みでバイオリンの感情的な演奏を表現するのは大変ですねー。でも頑張りました。
頑張って、布都との対戦時の思い出補正だけではなく、
布都自身が過去に背負うものとかも色々乗せまくる勢いで感情出しまくりました。
人間、感情むきだしでGO!(それは違う曲です)


シンギョクの男性形態に似てるから裏にシンギョクの曲入れようかと思ったけどやめました。
やめて良かった。

でも初見で男性だと思ったプレイヤーは俺だけじゃないよね!?!?






#14. 小さな欲望の星空(裏メロ1曲)


最初「何だこの変な曲?」と思わせておいて、
盛り上がりと共に一気にいい曲になる……!!
原曲のそんなカタルシスを私のアレンジでも再現できたら、と思いながら作りました。

星空を描いたのは、これはもうアレです、
(東方)音で描く東方妖々夢(MIDIアニメ)の雪のインスパイアです。
勝手にリスペクトしました。ありがとうございました。

MIDI見ずにこの曲の裏メロわかったらすげーわ






#15. 聖徳伝説 ~ True Administrator(いつものテーマ込みで裏メロ4曲)


作るのに一番神経使いました。

なんてったってラスボス曲ですからね。他の曲とは絶対的に異なる役割があります。
すなわち最後の曲として動画を盛り上げ、そして最後の曲としていい感じにまとめるという役割です。

別にそれまでの曲はいい加減に作ってたわけじゃないですよ。
でも、とりあえず曲の中の山場を大事にして次へのつなぎをしっかりしておけば、
アレンジをどうしようとそこまでヘマにはならないじゃないですか。

しかしラスボス曲は違います。
曲そのものが、動画全体の山場にならなければいけないわけです。
ほんと、いかにカリスマを最大限ひねり出すか苦心に苦心を重ねてアレンジしました。
カリスマ、カリスマ、カリスマ、カリスマ……






















_人人 人人_
> 突然の耳 <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄







台無しだよ!!!!!!



あ、そうそう。
この曲を作る時、神主は聖徳太子に失礼のないよう作ったそうですが。

私の知り合いの東方絵師さんにKさん(仮名)という方がいるんですけれども、
この方は界隈では高名な神霊廟キチの脳ミソ業火マントルな方なんです(誉めてます)。

もう少しわかりやすく言うと、神霊廟が、神子様が大好きな人なんです。
なので私はこのアレンジを作る時、なんとなくKさんのことを考えながら、
Kさんに失礼がないようにと思って作ってました。

いや同じ東方のファン同士で失礼もクソもないんですけど……。
こういうのはモチベーションが上がれば何でもいいのです。

Kさん、勝手にモチベーション維持の糧にさせて頂きました。ありがとうございました。


これを作ってる頃、
Twitterのbioに「あなたの子宮に遣隋使」とか書いてる人をたまたま見つけて、
なんというか神霊病界隈の業の深さみたいなのを垣間見た気がしました。
「わ、二人目いた!?」って。神霊廟の魅力すごい。



日出ずるうんぬんの後に入れるつもりだったボツネタ。

カリスマ出そうとしてるんだから、こういう茶化すようなネタは入れないようにしよう、
と思い直し、没にしました。

え、耳? やだなあ、あれは事実を提示しただけですよ。

他に案だけで消えたネタとしては「十七条のレーザー(笑)」とか(カッコ笑い含む)。
いや、あのスペカ名は初見で吹くだろ……。どういうセンスだよ……。
ボツ。

こう何というか、一周回ってかっこいいみたいなセンスは神主独特のものですよね。
本当にすごいと思います。
私が神主から一番見習いたいのって、実は音楽センスでもなく設定創作センスでもなく、
こういうネーミングセンスなんですよねえ。


豪族乱舞とたわむれはおわりじゃの後、
ピアノとストリングスで「虎柄の毘沙門天」っぽいフレーズがこっそり入ってます。
あの、テレレレレー↑ってやつ。伝わるのかこれ。

裏メロというにはあまりにも部分的な引用だしわかりにくいと思ったので、ここでこっそり公表。
裏メロカウントにも入っていません。


そんでまあ色々あって。
最後は大胆に神子全身絵とタイトルロゴ、そしてラストスペルを入れました。
かなり大胆だなー。投げやり……いやいや大胆だなー。大胆だなー。

神子のドット絵が、手を上に上げるポーズとるのかわいいですよね。
あんまりかわいいのでMIDIアニメに載せる立ち絵はそっちを採用しました。
そうすると、芳香と同じサイズで描いてしまっては手に持つ笏(しゃく)が上に見切れてしまうため、
やむなく縮小することに。

結果、顔の面積が小さくなったので目や口が描けませんでした。ドンマイ。


この曲は歴代ラスボス曲に比べてイマイチだとか言われてますが、
ラスボス曲のくくりで見るのではなく、
東方神霊廟というくくりの中で果たす役割を見た時、
聖徳伝説はこの東方神霊廟というゲームを締めくくるのに
十分ふさわしい威厳・カリスマ・包容力を持つ楽曲であると言えると思います。

何回も書きますけど神霊廟は全体的に渋い雰囲気ですから
(安い妖怪ゲーみたいなノリも随所に見られますけど)、
ラスボス曲だけドンドンジャカジャカ盛り上がったら逆に変というものです。

夢殿→大神→小さな欲望の星空の流れで厳かなムードになった後、
もし突然、星蓮船のあの演出過剰ともいえるようなラスボス戦が展開されたら。
浮きますよ。はっきり言って。


難易度的にも。


生まれたての神霊どうしてあんな簡単なん……?


生まれたての神霊(あるいは星降る神霊廟)ぶっぱで最後を締めくくったわけですが、
実はこの箇所の和音、Fmではありません。
(前提知識:最後の所の調はF minorなので、Fmのコードで終わるのが普通です。それかせいぜいパワーコード。)

じゃあ何かっていうと、F7sus4です。構成音にしてF、B♭、C、E♭です。
あ、短調だからFm7sus4とかいうべきなのか……? いやそんなのはいいか。

F minorの調におけるF、B♭、C、E♭といえば。
F、B♭、C、E♭、C、B♭、F、B♭、C、E♭、C、B♭………………


東方らしい終わり方にしてみました、というわけですね。






#16. 妖怪裏参道(裏メロ1曲)


妖怪の危機ということで、危機感を煽るような効果音を入れています。


しかしこのステージタイトルいいですよね。「反逆ののろしを上げろ!」
シンプルで、神霊廟ステージタイトルの中では一番好きです。
他のをよく覚えてないってのもあるけど。

ぬえとマミゾウのカップリング名は「ぬえマミののろしを上げろ」がいいと思います(ボソッ


うーん、この曲についてあんまり語ることないな……。

聖徳伝説を作り終えた開放感のノリのままパパーっと作っちゃったので、
こいつにはそんなに苦労してないですね。
脳内アレンジが事前に結構進んでたってのもありますし。


神霊廟ぬえの画面内への登場の仕方かわいい。

こう、他のキャラと同じように一定速度でスッと入ってくるんじゃなくて、
なんか一旦ギクッと減速するんですよね。ぬえだけ。
それが何を表してるのかは知りませんけど。
正体不明かわいい。

あと青娥の入退場の仕方も好きです。羽衣で飛んでるっぽいフワフワとした動き。
邪仙かわいい。

こういう細かい所でもキャラクター間の差異というか個性をちゃんと表現している辺り、
神主の芸の細かさには頭が下がります。ほんと。






#17. 佐渡の二ッ岩(裏メロ1曲)


好き放題ピコピコさせた。反省はしていない。


大神神話伝といい、和とチップチューンって相性いいんですかね。
大神と佐渡とでは曲調の方向性は正反対ですけど。
でもどっちも作ってて超楽しかったです。

そもそもこの曲は原曲からしてやたら楽しげですからね。
思い出補正再現のために、より楽しくアレンジするのが私の義務というものです。
ミックスの都合でスラップベースがよく聴こえないのが残念ですが、
過剰な矩形波と裏打ちによっていい感じの愉快さを演出できたと思います。


コンピューターおばあちゃんって書いた奴出て来い(再掲)


これは是非、もっと旧世代ゲーム機に近いエグい矩形波を使って、
単体でアレンジしてみたいなあ……。

というか各曲の単体アレンジってどのくらい需要あるんでしょうね?
人気投票でもしてみましょうか。
どうせ一位はリジッドだろうけど


なんで最後フリジアン・スケールで終わらせたんだろう?
昔聴いた行進曲「秋空に」の影響かな? でもなんで今になって。
まああれは普通の長音階を二度んとこだけ下げたやつだから、完全には一致しないけど。






#18. デザイアドリーム(いつものテーマ込みで裏メロ1曲)


そういうわけで無事大団円を迎えました、
「MIDIアニメで見る≪東方神霊廟 ~ Ten Desires.≫」。

24分ひたすら音楽を聴き続けさせられる。
しかも画面演出もあるから初見では作業用BGMとして聞き流すこともできない。
そんな手間を私のために割いて下さった、
この動画にそれだけの対価を払う価値を見出して下さった、
全ての方々にお礼申し上げます。


本当に、ありがとうございます。


> それではこのクソ長い神霊廟メドレーの各曲について、
> 順番にざっと紹介したりコメントしたりしていきたいと思います。


ざっととは何だったのか。

動画も長けりゃ解説もクソ長いよ!!! 何文字あるんだよこれ!!!
24分の動画全部見るのとこれ全部読むのとでどっちが時間かかるかわかんないよ!!!!

書き始めるとつい長文を書いちゃうタチなもので、ええ。
こんな拙い文章を長々と読んで下さった方にもお礼申し上げます。











MIDIアニメ、どうして作り始めたんだったかなあ。



多分、単純に

俺の大好きな東方と、俺の大好きなMIDIアニメを組み合わせた動画が、
どっちもそれなりに大きいジャンルなはずなのにほとんど存在しないとは!!!!
これは一体何事か!!!!!!!!
じゃあ俺が作ったるわ!!!!!!!!!!!!!!!!

とかそんな感じの衝動から、あの神霊廟体験版MIDIアニメを作ったんじゃないかと思います。



次回作の仏教的なアレのMIDIアニメも、
完成はいつになるかわかりませんが(マジで)、
皆様どうか寛大な気持ちでだらーっとお待ち下さい。






そうそう、私の今後の東方MIDIアニメ制作予定についてですが、
現時点で、以下のものについては作るつもりがありません


(1). 旧作(東方怪奇談 など)
(2). 黄昏フロンティア系弾幕アクション(東方萃夢想 など)
(3). 東方公式の小数ナンバリング作品(東方文花帖 など)
(4). 音楽CD・秘封(蓬莱人形、蓮台野夜行 など)
(5). 書籍(東方儚月抄 など)
(6). ZUN氏が楽曲を提供した東方公式以外の作品(秋霜玉 など)
(7). 東方幻想的音楽
(8). 東方二次創作品(MegaMari など)
(9). 東方花映塚


作らない理由としてはだいたい、
「私がプレイできないから」と「曲に対してネタが少ないから」の
どちらかあるいは両方です。
旧作なんかは前者ですし、音楽CDは後者です。


特に旧作は、仮に私がソフトを合法的に入手・プレイできて、
そのプレイ体験をMIDIアニメに起こしたとしても、
同じようにプレイした人の絶対数自体が少なすぎますから、
「プレイを体験済みの人にゲームを追体験させる」という本シリーズの狙いを実現しにくいのです。

プレイ動画を見るだけで用を済ますこともできますが、
上海アリス幻樂団様の規約においてプレイ動画のアップロードが許可されていない以上、
それを基にした創作を行うわけには行きません。

それに、やっぱり実際にゲームを遊ばないと、プレイを体験したことにはなりませんからね。


あと花映塚は……前者です…………
許してくれ…………未だに操作法さっぱりわからんのだ………………




要は紅魔郷とか風神録とかの、
「いつもの公式東方STG」のMIDIアニメしか作るつもりはないということです。

まあ今後気が変わって作るかもしれませんけど。
とりあえず今の所は、ということで。



妖々夢については正直、
そらいろ氏の音で描く東方妖々夢がバケモノすぎるので、
私の出るまく~はないんじゃないかという気もしてどうしようか迷ってるんですが……。

まあ何年後に着手するかもわからんし、その時考えよう。












最後に。




(体験版>>615)
MIDIアニメは曲を壊さないようにアニメ入れないとならないからすっごく難しいーだから職人さんが少ないのよね






そういう迷信を信じちゃ駄目!




MIDIアニメについて、難しいヤバい技術、と思う人が多いのも無理はないとは思いますが、
作ってみて、割となんとかなったというのが私の感想です。

恐らく普通に曲を作れる人ならMIDIアニメも作れるはずです。

なにも私のように無理にネタを詰め込む必要はありません。
そもそも私はネタを優先して曲を犠牲にするという駄目なタイプのアレなので参考にしちゃいけませんが。
アレンジにやたら凝る必要もありません。原曲の完全再現耳コピも不要です。
最低限コードが採れる耳と不協和音に気付ける耳さえあれば、恐らくある程度のレベルのものは作れます。


どうか東方音屋の皆さん、どんどん東方MIDIアニメを作って下さい。
別に東方に限らなくても構いません。粗悪なクオリティじゃなければジャンルなんて何でもいいです。
大丈夫、作ればなんとなかります。
というか作って下さい。お願いします。私が見たいんです。

東方なら、特にさっき挙げた「作るつもりがありません」リストの作品について、
是非是非作って頂きたい。そして見てみたい。


私が作る予定のある作品については、私が作ってからにして頂きたい……(笑)


そういうことを言っちゃあいけませんね。
とにかくこれを期に、
かつて一大ブームを巻き起こしておきながら現在まったく作り手がいなくなってしまった
MIDIアニメという特殊音楽文化が、
あの頃のように再度盛り上がってくれたらいいなあと思います。

私も今後、東方以外のテーマについてもMIDIアニメを作ってみたいと思っています。
もちろん普通の東方アレンジなどの活動を続けた上で、ですが。

















あーーーーーーーーー

これ書くのにリアルに丸一日かかりました(仮眠時間含む)。
読んで下さった皆様、お疲れ様でした。ありがとうございます。


> 私は基本的に喋れば喋るほど己の醜いところを露呈していく類の人間なので、
> 作品に関する文章など、なるべく最低限のものしか書かないつもりです。


最低限とは何だったのか。







今後も応援宜しくお願い致します。



森の子リスのミーコの大冒険



























































以上を踏まえてもう一度見る?